アコギのためのベーシックな接続機材

ハードウェア機材

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皆さん、こんにちは、メロウです。

今回は自宅でソロ・ギターを楽しむための機材について考えてみたいと思いますが、その前提として、何がしたいのか、具体的にはどのような音づくりをしたいのか、によって構成は随分と変わってきます。

tokyo/wp-content/uploads/1907home-recording.jpg”>早い話、ギターの生音を大切にし、その音を楽しみたいのであれば、あれこれ機材を揃える必要はないわけで、より良い演奏空間を作ることの方が大切かもしれません。
しかし、近頃のアコギ・ソロでは、リバーブを中心としたエフェクターを使うのが当たり前で、ギターの生音を如何に効果的に演出するかがより重要になってきています。

ある意味、それはもう好みの問題というより、礼儀の問題ともいえるくらいで、何の加工もしない宅録の生音では、聴き手に対して失礼とさえいえます。
同じギターでも、音響効果の優れたホールでの演奏録画と宅録では、明らかに音の広がりや伝わり方に差があり、その差を埋めるためにも、擬似的な音響効果としてのリバーブは最低限必要なのではないでしょうか。

ですから、ここではあくまでもエフェクターを使う事を前提とします。
また前回までの実験で、プラグイン・エフェクターでは遅延の問題があり、リアルタイムでエフェクトの掛かった音を出力するのは難しい事が分かっていますから、「ハードウェア・エフェクタを使う」というのも大前提です。

今回はそれ以上の条件は特に想定しませんが、単にハードウェア・エフェクタを使って音を出力する、というだけでもたくさんの接続例が考えられます。
基本的には、ギターの音をどのような方法で拾い、どれをどのように増幅し、どの段階でどんなエフェクターを入れるか、という組み合わせですが、必ずこうしなければいけない、という規則があるわけでもなく、最終的には好みの問題も絡んできます。

ギターを続ける限り、どのみち機材を買い替えたり、別の方法を模索したりしますが、最初はなるべくオーソドックスな方法から始めた方が失敗が少ないのではないでしょうか。

1・ギターの音を拾う

本来、アコギ(アコースティック・ギター)は電気的な出力系統を持っていませんから、音を拾うにはマイクが必要になります。
しかし、宅録においてマイクは色々と難点があるため、ピックアップを導入するという方法もごく一般的です。

tokyo/wp-content/uploads/1907contact-piezo.jpg”>ピックアップ導入には大抵の場合ギターへの加工が必要になります。
ギターの外に貼り付けるタイプのコンタクト・ピエゾやクリップ・マイクのように直接加工しなくて音を拾える方法もあります。配線が見苦しかったり、コードの取り回しが不便だったりしますが、過渡的な手段としては有効かも知れません。

どんな方法を使うにせよ、何らかの形でギターの生音を電気信号の変換する必要があるわけですが、実は音作りに置いてはここがベースで、その後に全く同じ機材を使ったとしても、出力される音はここで使った方法に大きく影響されます。

その意味では、エフェクターうんぬんよりも先にマイクやピックアップについて知るべきかも知れませんが、最初に接続の全体図をつかんだ方が何かと理解しやすいのも事実です。

いずれはピックアップを試してみる時期も来るかと思いますが、初期の段階では「まずはマイクで」というのが王道だといえます。
今の段階では、音を拾えさえすればいいので特に高級なマイクは必要ありません。

ただし、ハードウェア・エフェクタを前提にした場合、USBマイクは不向きです。アンプ内蔵のUSBマイクやUSBマイク用のプリアンプといった製品もあろうかとは思いますが、オーソドックスなスタイルとは言えません。
これまでUSBマイクの性能を色々とチェックしておきながら、「不向きはないだろ!!」というご意見もあろうかと思いますが、それが血となり肉となる、と思えば諦めもつくかと・・・

というわけで、ファンタム電源対応のコンデンサマイクを一本ご用意いただくのがよろしいかと・・・3万円もするマイク買って、ピックアップ導入後に使わないからと売りに出した人(←私のことです)もいますが、それなりに人気の製品は処分もしやすいので、性能よりもそのあたりを基準に選ぶというのもありかも知れません。いい加減なおすすめより、サウンドハウスさんなどで実際の売れ筋商品を探すのも楽しいものです。

なお実用上、マイクアームやマイクスタンドがないと使い物にならないので、それらもお忘れなく。経験的にはアームよりマイクスタンドの方が自由度が高く、使い勝手がよいように思います。宅録ならこれなんかで充分です。

tokyo/wp-content/uploads/1907xlr-osu.jpg”>Amazonの極安コンデンサマイクでも何の問題もなく使えますが、先端がステレオミニプラグの製品が多いので、そこだけはしっかり確認して下さい。
ファンタム電源を使うには写真のように先端がXLR(キャノン)プラグになっている必要があります。

2・拾った音(信号)を増幅する

生ギターから拾った信号は微弱なため、それにハードウェアでエフェクトをかけるには信号を増幅してやる必要があります。そして、その仕事を担うのがプリアンプという機材です。
最終的にスピーカーレベルまで信号を増幅するのもアンプですが、こちらはパワーアンプ(メインアンプ)と呼ばれ、その前段階で増幅するためこれをプリアンプと呼ぶわけですが、それほど明確な違いがあるわけではありません。

tokyo/wp-content/uploads/1907mic-pre.jpg”>プリアンプにも様々な形態があり、マイク専用のマイクプリ(アンプ)などもあります。
ピックアップを使う場合は、ピックアップ自体にプリアンプを内蔵しているアクティブタイプと、別途プリアンプが必要なパッシブタイプがあります。

アクティブタイプのピックアップなら、ピックアップからの信号を直接エフェクターに入れる事もできますが、一般的なマイクで拾った信号やパッシブタイプのピックアップからの信号を直接エフェクターに入れても、満足なパフォーマンスは得られません。

tokyo/wp-content/uploads/1904UR242.jpg” width=”390″ height=”183″>オーディオ・インターフェイスはプリアンプの機能を持っているので、最初の機材として特におすすめです。(tokyo/pc-recording-hard/”>こちらの記事も参考にしてください)
オーディオ・インターフェイスの入力コネクタはコンボジャックになっていて、ファンタム電源にも対応しているので、マイクでもピックアップでも利用することができるため、最近では専用のマイクプリなどが利用されることはあまりありません。

ただし、スタンドアローン(単独)で機能するタイプのオーディオ・インターフェースでないと、PCやiPadなしでは動作しません。
オーディオ・インターフェースにはスタンドアローンでない機種も多く、音楽機材としての利用や持ち出しを考えれば、チェックしておいた方がいいかも知れません。人気のSteinbergのURシリーズですと、最下位のUR12は単体では動作しない仕様になっています。

ちなみにオーディオ・インターフェースをPCと連携して使う場合、基本的に複数台を同時に使用することが出来ません。ですから入出力のチャンネル数は多いに越したことがないのですが、2イン2アウトくらいの機種がほとんどです。
入力に4チャンネルあると、できることが格段に多くなります。出力も2アウトといっても一つはヘッドフォン端子なので、できれば3アウトが欲しいところです。

というわでで、私自身はUR242を使っていますが、UR44が最強だと思う次第です。

3・エフェクターをつなぐ

具体的なエフェクターについては別の記事で紹介したいと思っていますが、接続の段階で考慮すべきは、録音機材に対してどの位置にエフェクターを入れるかです。
ギターを演奏していれば、いずれかの時点で録音という作業が入るわけですが、録音にPCを使うにせよ、専用のレコーダー等を使うにせよ、その録音機材の前にエフェクターを入れるか、後に入れるかは、好みや使い方によって変わってきます。

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これは、DAWを使って録音する場合のインサートやセンドに似た関係で、ギターから拾った加工前の音を録音するか、エフェクト加工した後の音を録音するかの違いになります。
エフェクターを録音機材の後に入れれば、生音で録音して後でゆっくり音色を加工する、というような使い方もできるわけです。

個人的には、加工の手間が煩わしいので直接エフェクターからの出力を録音していますが、元のソースはソースとして残したい方や、プラグインなどを使った音作りが楽しいという方には有効な手段です。
プリアンプは複数の出力系統を持っている事が多いので、そこで分岐させ、片方のトラックには生音を、もう一方のトラックにはエフェクト加工された音を入れ、両方同時に録音するというような手も考えられます。

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なお、オーディオ・インターフェイスをプリアンプ代わりに使う場合は、オーディオ・インターフェイスの後ろにしかエフェクターを入れられません。
ですから、PCを使いオーディオ・インターフェイス経由で録音する場合、エフェクト加工された音を直接録音するには別途プリアンプを用意する必要がでてきます。ループバックなどの機能を使う手がないではありませんが、経験的には案外うまく行きにくいので・・・

エフェクターで加工された信号をパワーアンプに送り増幅してスピーカーから出力する、というのがその後の流れです。アンプ内蔵スピーカーを使えば、直接エフェクタからの信号を出力することもできますし、オーディオ・インターフェースをパワーアンプとして使うこともできます。

アコギでは大音量で出力することが殆どないので、アンプやスピーカーは古いコンポやラジカセなどの使い回しでも充分に間に合います。
PC用のスピーカーだけでも音は出せますから、この辺は余裕のある時に拡張していけばいいかと思います。

機材はあれこれ一度に揃えると金額的にも馬鹿になりませんし、少しづつ増強していくのが楽しみだともいえます。
まずはマイクとオーディオ・インターフェース、その後にエフェクター、ピックアップやプリアンプと拡張していくのが無理のないところではないでしょうか。

数年前から動画投稿しています。よろしければtokyo/wp-content/uploads/1100YouTubeMZ.gif”>も覗いてやって下さい。

『アコギのためのベーシックな接続機材』 に対するコメント

  1. zizi 様より:

    メロウさん、こんにちは

    「それが血となり肉となる」・・・まさに!とw
    私もどれだけ痛い目に遭いながら血肉を得てきたことか
    ただちょっと余分なお肉が目立ってまいりましたが(笑)

    ラインを構成する機器や接続方法は本当に様々で
    使う人の数だけ存在するのかもしれませんが
    こうして、基本となる考え方を示していただくことは
    「やってみたいけどちょっと怖いし、よくわからない」
    と迷ってる方々にも良い判断材料となるのではないでしょうか

    私もどちらかと言えばライン派wこれからがますます楽しみです!

    • MellowZone より:

      ziziさん、こんにちはです。

      こちら、ゴルフで大出血していた分、ギターはすり傷程度で済んでます。
      感動・感銘を与える事のないギターライフになっているのも、その辺が問題なのかも知れませんが・・・

      エフェクターを使い出したのもついこの間、多分7~8年ほど前からで、リバーブベダル2台にコーラスペダル2台のみ、と危なげない道を歩んでおりますだけに、大した記事は書けそうもありませんが、とりあえずまだネタには困ってないのが救いです。