tokyo/wp-content/uploads/1000mura-icon.gif” width=”80″ height=”80″>皆さん、こんにちは、メロウです。
前回はギター弦を長持ちさせる方法を紹介しましたが、今回は弦を再生させて再利用する超マニアックな裏技の紹介です。
この方法は実際に効果があるのは間違いないのですが、とても手間と時間がかかります。
また、いくら再生すると言っても、新品のようになるわけではなく、効果はせいぜい一週間といったところです。
tokyo/wp-content/uploads/1904poleend2.jpg”>その上、私が実験好きで手先も器用なので成立する方法ですから、慣れれば1セット30分くらいで出来まるとはいえ、チャレンジしてみる人はかなり少数だと思われますが・・・
ところで、弦の再生法としてよく記事にされるのに煮沸洗浄する方法があります。
前回の弦を長持ちさせる方法でもお話した通り、ワウンド弦は目に詰まる皮脂やサビなどが劣化の大きな原因ですが、磨くという方法ではワウンド弦の隙間を掃除することが出来ません。
かといって、超極細毛の歯ブラシなどをつかってワウンド弦の隙間を掃除するのは現実的ではありませんが、煮沸することで目に詰まった汚れが落とせるなら、手間もかからず効果が期待できます。
汚れを落とすという意味では、煮沸時に苛性ソーダなどの薬品を併用すれば、よりきれいに落とせるかも知れません。
もちろんこれらは実験済みですが、それほど大きな成果は期待できないものの、それなりの効果は認められました。
ただし、苛性ソーダや金属のパーツクリーナーなどの併用は、確かに汚れ落ちは良いのですが、弦がカサカサになり、豊かな音色とは程遠い状態になってしまいますから、やるなら真水に限ります。
古くなった弦は全体的にボソボソした感じがありますが、煮沸することで幾分シャキッとした感じになります。
音の方も、新品から2週間後くらいの状態まで一時的に復活するような気がします。
ですが、効果があるのはせいぜい2日くらいで、すぐにへたってしまいます。
期待したほどの効果が出ないのは、実験に使ったのがひと月以上使用した古い弦なので、弦そのものが劣化していたためかも知れません。
というわけで、新品から2週間くらいの弦でも試してみました。
流石に弦が新しい分、復活程度もだいぶ良くなりましたが、効果はせいぜい3~4日という所なので、弦交換が2週間周期くらいの方には多少意味があるかも、といった程度です。
tokyo/wp-content/uploads/1904renew.jpg”>さて、ここからが本題です。
復活効果は煮沸の比ではなく、明らかにサスティンが戻るその方法は、弦のポールエンドを切り離し、手作業で巻き直すという方法です。作業内容は言葉で説明するより写真の方がわかりやすいかと思います。
写真1:ポールエンドとの境目の芯線をニッパーでカットし、ポールエンドを取り外します。外したポールエンドは再利用するので残しておきます。
写真2:ワウンド弦の外線をくるくる回しながら剥いていきます。3弦や4弦は外線を引っ張るだけでスルスルと簡単に剥けます。途中で切れても問題ありませんが、なるべく切らない方が後の作業が簡単です。芯線のねじってあった部分を除き、6cm程度むき出しになるまで外線を剥きます。
写真3:むき出しの芯線を曲げて輪を作ります。曲げた角が鋭角にならないように丸く曲げます。間にドライバーなどを挟んで曲げればうまくできます。輪っかがポールエンドの径に上手く沿えばベストです。
写真4:ラジオペンチで芯線を掴んで固定し、ポールエンドをペンチで掴みながら反時計回りにねじり上げていきます。弦を引っ張る感じで丁寧に回せば全体が均一にねじれ、十分な強度を保てます。強くねじり過ぎるとポールエンド付近が鋭角になり、切れやすくなってしまいます。
写真5:ねじり終わるとこのような状態になります。慣れれば案外きれいに仕上げられます。
写真6:弦をペンチで固定しながら、ねじった部分を覆うように外線を巻き戻して行きます。それ程きれいに巻きつけなくても大丈夫です。3弦や4弦は外線も細いので途中で切れることがありますが、少し手前から重ねて巻きつければそれで問題ありません。
写真7:ポールエンド付近まで外線を巻き上げたら、余った外線を切り離して完成です。
特に難しい作業ではありませんが、慣れないときれいに仕上げられないかも知れません。
またうまくねじり上げられていなかったり、強くねじり過ぎていると、張り直す段階で弦が切れることがありますので、自信のない方は止めておいたほうが無難かも知れません。
ですが、苦労のした後の鳴りにはちょっとした驚きがあります。
一時的とはいえ、これほど効果が出るのは、弦は常に負荷のかかっているサドル部分の痛みが一番激しいという事かも知れませんね。
最近はこの作業をすることはほとんどありませんが、高級弦や音の良かった弦だとその気になったりします。
新品弦でいきなりポールエンドが飛んでしまった場合などにも使える技術なので、一度チャレンジされてみても無駄にはならないかと思います。
ちなみに、弦を処分する時にポールエンドを残しておき、それを10コほど束ねて弦に通せば、サドルの負担がかかっている部分を変更できるので、巻き直しと同じ効果が期待できるか知れません。
私の使っているS-92はサドルがスルー方式なので、この方法だと見た目がみっともない上、表面板を傷つけてしまうのでやってみたことはないのですが、一般的なブリッジ・ピンで留める方式なら、見た目も変わらず傷もつかないので、お試しの上報告など頂けたらと思います。
数年前から動画投稿しています。よろしければtokyo/wp-content/uploads/1100YouTubeMZ.gif”>も覗いてやって下さい。